Nature ハイライト
進化:違う歩き方をしていたヒト族の仲間たち
Nature 483, 7391
最近エチオピアで発掘された340万年前のヒト族の足の部分的な骨格が、興味深い難問を投げかけている。その年代のヒト族としてこれまで知られていたのは、「ルーシー」という名の化石標本に代表されるアウストラロピテクス・アファレンシスのみであり、このヒト族種は完全な二足歩行で、足の形は基本的に現生人類と同じだった。ところが、今回の新たな足の標本には、対向可能な母趾を示す証拠が認められた。これは、現生類人猿や、アファレンシスより100万年古い時代のアルディピテクス・ラミドゥスというヒト族のほうに近い特徴である。この新発見は、300〜400万年前の鮮新世には歩行様式の異なる複数種のヒト族が共存していたことを示唆している。
2012年3月29日号の Nature ハイライト
地球:南極氷床の崩壊と海水準変動
進化:違う歩き方をしていたヒト族の仲間たち
光学:電子–正孔を超高速光変調で引き裂く
細胞:iPS細胞作製におけるクロマチンの制御
医学:並行臨床試験の試行に成功
細胞:OTUB1とDNA損傷応答
医学:細菌による宿主免疫の抑制
構造生物学:腸内病原菌の酸耐性