Nature ハイライト

構造生物学:ATP依存性P2X受容体の構造

Nature 485, 7397

P2X受容体は、ATPによって活性化されるイオンチャネル群で、Na+やK+、Ca2+イオンを透過させる。このタンパク質は、シナプス伝達の修飾、平滑筋収縮、化学伝達物質の分泌、免疫反応の調節などの広範囲にわたる生理過程に関与している。今回、ゼブラフィッシュのP2X4受容体について、ATPが存在する場合としない場合の2種類のX線結晶構造が報告された。ATPが結合した構造から、これまで観察されたことがなかったATP結合モチーフが明らかになり、2種類の構造の比較から、ATPの結合が細胞外前庭の放射状の拡大につながり、これが膜貫通へリックスの虹彩様の拡大を引き起こして、イオンチャネルが開口することが明らかになった。

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