Nature ハイライト
宇宙:フレアからブラックホールを探る
Nature 485, 7397
遠方銀河の中心にある超大質量ブラックホールは、通常見ることができない。しかし、時たま、それらの存在が、ブラックホールに降着していく恒星の潮汐破壊で発生するフレアという形で明らかになることがある。このような事象はめったにないうえに、その後期段階しか見られないことが多い。しかし今回、S Gezariたちは、赤方偏移0.1696に位置する活動していない銀河の中心核領域から生じた紫外線と可視光フレアの詳細な観測について報告している。フレアは2010年5月31日に最初に観測され、7月にピークとなり、9月までに終わった。観測された連続スペクトル光は、単純な降着デブリ円盤に対して予想されるものより低温だが、光度曲線の増加と減少は十分にサンプリングされており、予測された質量降着率に従っている。ブラックホールの質量は太陽質量の約200万倍で、破壊された星はヘリウムに富んだ恒星コアを持っていたことが、束縛されていないデブリから得られたイオン化したヘリウムの分光学的特徴に基づいて推定されている。
2012年5月10日号の Nature ハイライト
細胞:ZNRF3タンパク質はWntシグナル伝達を抑制する
構造生物学:ATP依存性P2X受容体の構造
宇宙:フレアからブラックホールを探る
地球:危機に瀕するウェッデル海の海氷
農業:作物収量を比較する
遺伝:自閉症の遺伝学的不均一性
医学:心不全とミトコンドリアDNAの関連
医学:白血病の治療標的であるFLT3