Nature ハイライト

進化:結合タンパク質から進化した酵素

Nature 485, 7399

カルコンイソメラーゼは、維管束植物のフラボノイド生合成にかかわる過程で、カルコンを(S)-フラバノンへと変換する。今回、カルコンイソメラーゼファミリーの触媒的に非活性な複数のメンバーでもっぱら脂肪酸結合タンパク質(FAP)として機能しているらしいものについて、結晶構造とリガンド結合特性、それにin vivoでの機能が調べられた。FAPをノックアウトしたシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、α–リノレン酸濃度の上昇と顕著な生殖能低下が見られた。このことから、カルコンイソメラーゼは、非酵素祖先からの酵素の出現と進化を示す珍しい例であると考えられる。

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