Nature ハイライト
宇宙:太陽類似星でのスーパーフレアの発生率
Nature 485, 7399
太陽フレアは太陽大気中で最も高エネルギーの爆発であり、同様なフレアは多くの星で生じている。平均的な太陽フレアよりも数千倍も高エネルギーの「スーパーフレア」の放出は、さまざまな星で観測されている。しかし、太陽型星で観測された回数がこれまで比較的少なかったことが、太陽型星のスーパーフレアに関する詳細な研究を妨げてきた。今回、前原裕之(京都大学)たちは系外惑星探査衛星ケプラーからのデータ分析に基づいて、120日にわたって観測した約83,000個の星から得られた365例のスーパーフレアの観測について報告している。これらの中には、ゆっくり自転する太陽型星からのものが101例含まれている。このデータは、高速回転している星や、よく知られている太陽黒点よりもずっと大きな「恒星黒点」を持つ星で、スーパーフレアがより多く発生することを示唆している。過去2000年間には太陽表面でのスーパーフレアの歴史上の記録はなく、過去10億年に多分1回も発生しなかったと考えられる。B Schaeferは、関連するNews and Viewsでこれらの知見について論じており、太陽でスーパーフレアが今後発生する可能性はきわめて低いと結論している。
2012年5月24日号の Nature ハイライト
進化:すべての生物にある時計マーカー
脳:単一細胞レベルで脳活動を見る
宇宙:太陽類似星でのスーパーフレアの発生率
化学:色素増感太陽電池の着実な進歩
地球:始生代の地球化学的不連続
遺伝:黒色腫におけるPREX2変異
神経:血液脳関門を回復させる
進化:結合タンパク質から進化した酵素