Nature ハイライト 細胞:サルモネラ属病原体へのRNAにコードされたメッセージ 2012年6月14日 Nature 486, 7402 細菌性病原体は、感染の促進に必要な時と場所(特定の組織)に限って、毒性決定基を産生する。通常、病原体がこれを行うのは、特殊化された調節系を介して宿主の特異的シグナルを感知した場合である。毒性因子MgtCは、サルモネラ属の細菌Salmonella entericaが宿主のマクロファージ内にある間の生存に重要である。今回、E LeeとE Groismanは、mgtC遺伝子の調節がATPを感知するリーダーメッセンジャーRNAを介してATPに依存して行われること、MgtC自体がATP恒常性にかかわっていることを明らかにしている。つまり、ATP感知はタンパク質によって行われるのが普通だが、この場合のATP感知は、RNA分子の一部、つまり調節を受ける毒性タンパク質を特定する領域の前方にあるRNA領域によって行われるのである。 2012年6月14日号の Nature ハイライト 微生物学:ヒト腸内マイクロバイオームの多様性 植物:ようやく見つかったサリチル酸受容体 宇宙:まだ謎が残るスターバースト天体HDF 850.1 環境:樹木の年輪がとらえた8世紀の宇宙事象 計測:原子分解能の電子線トモグラフィー 脳:大脳基底核による遠隔学習 医学:自閉症にかかわるシナプス異常 細胞:サルモネラ属病原体へのRNAにコードされたメッセージ 目次へ戻る