Nature ハイライト

化学：新しいアライン合成方法

2012年10月11日 Nature 490, 7419

アラインは、芳香族系から誘導される反応性中間体であり、アラインが「捕捉」されることによって生じる生成物は、化学試薬、医薬品、農薬、色素やポリマーに利用されている。今回、アラインの一種であるベンザインをヘキサデヒドロ・ディールス・アルダー反応によりde novo生成させ、生じたベンザインをさらにin situ操作して構造の複雑なベンゼノイド生成物を得るという新しい合成戦略が検討された。この反応は金属や試薬を使用する必要がない。そして、この手法を使えばどのようにして固有反応性の新しい形態を明らかにできるのか、その数例が示された。