Nature ハイライト

進化:歯が物語る初期人類の食事メニュー

Nature 436, 7051

新しい顕微観察法を使って化石の歯を調べたところ、南アフリカで出土した2種の絶滅人類の食餌内容の違いを知る手がかりが得られた。この手法は、歯の表面を走査して微細に観察することにより磨耗や亀裂の微小なパターンを見つけ出すもので、さまざまな種類の食べ物を噛むことで歯に残った擦り傷やくぼみを見分けることができる。 P Ungarたちは、噛み切りにくさが違う果物や種子その他の植物食材を食べることで歯にどんな痕が残るかを確かめるため、現在の新世界ザルの歯を調べた。そして、このサルたちでわかっている食餌内容から、どういうものを食べると歯にどんな使用痕が残るか関係づけた。 次にUngarたちは、2種の初期人類の歯の化石を分析した。1種は、約300万年前に南アフリカにいたアウストラロピテクス・アフリカヌス、もう1種はそれより100万年ほど後に同じ地域にいたパラントロプス・ロブストゥスである。Ungarたちの報告によると、アウストラロピテクスのほうは噛み切りにくく弾力性のある繊維質の餌を食べていたが、体格がもっと大きいパラントロプスのほうは種子などの堅くて割れやすい餌を食べていたらしい。

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