Nature ハイライト 宇宙:主小惑星帯に見つかった小惑星の三重星 2005年8月11日 Nature 436, 7052 2つの衛星を持つ小惑星が、米国とフランスの研究者によって発見された。F Marchisたちは、さしわたし280 kmの小惑星87番シルビアの周囲を、2つの小天体が回っているのを発見した。この小惑星は、火星と木星の間の主小惑星帯にある。 今回の発見は、三重星をなす小惑星系を見つけた初めての成果である。87番シルビアの2つの小さな伴星は、チリ北部のセロパラナル山頂にあるヨーロッパ南天文台で観測された。 87番シルビアの周囲をめぐるこれらの「微衛星」は、2004年に2ヶ月間にわたって追跡された。両衛星のうち一方は、2001年に発見されていてS/2001(87)1と命名され、87番シルビアからほぼ1,360 km離れた軌道を回っている。もう一方は、F Marchisたちが今回発見したものでS/2004(87)1と命名され、シルビアからわずか710 kmしか離れていない軌道を回っていることがわかった。これらの微衛星の大きさはそれぞれ18 kmと7 km程度であると推定された。 Marchisたちは、87番シルビアとその衛星が、他の小惑星との衝突で生まれたと考えている。大部分の破片は集まって「破砕集積体」になり、2つの微衛星は後に残った破片なのだろう。 2005年8月11日号の Nature ハイライト 宇宙:主小惑星帯に見つかった小惑星の三重星 医学:二日酔い遺伝子がアルコール耐性の形成を助ける 気候:氷河期の始まりは乾燥していた 宇宙:宇宙の渦巻き 発生:タンパク質装置のモデル化 : 目次へ戻る