Nature ハイライト 生態:3種類のホットスポットはほとんど重ならない 2005年8月18日 Nature 436, 7053 生物保護活動ではホットスポットと呼ばれる生物種の豊富な地域から、地球上で最も保護活動を必要とする地域を割り出している。ところが科学者の間では、こうした保護地域を絞り込むのにどんな種類のホットスポットが最適なのか見解が分かれている。最も適したホットスポットとは、種数が最多の地域か、それとも絶滅の危機にある種の数が最多の地域か、地域特有の種(固有種)が最多の地域か、3種類のどれであるべきなのだろうか。 今回、既知の鳥類全種の繁殖分布域に関する世界規模の新しい調査から、答えは簡単に出ないことがわかった。I Owensたちの報告によると、3種類のホットスポットは重なり合うところがほとんどないらしい。Owensたちは、1種類のホットスポットだけを使って保全の優先度を決めることはできないと結論づけている。 とはいえ「ホットスポットの原則について見通しがまったく立たないわけではない。今回の研究で、固有種のホットスポットでは絶滅の危機に瀕した種の数や種の総数も多いことがわかった。固有種のホットスポットの保全に資金や人材を投入すれば、回り回って種の豊富さと絶滅の危機にある種に関するホットスポットを守ることにもなるだろう」とH PossinghamとK WilsonがNews and Viewsで述べている。 2005年8月18日号の Nature ハイライト 生態:3種類のホットスポットはほとんど重ならない 材料:準結晶は光を跳ね返す 細胞:毛とテロメア 宇宙:バーストをすばやく捉える 生化学:新たに発見されたヘモグロビン生成経路 : 目次へ戻る