Nature ハイライト 古気候:トロピカル・コネクション 2005年9月8日 Nature 437, 7056 白亜紀には温室効果がもたらした温暖な気候のもとで、熱帯の沿岸海域は強い降雨と河水流出量の変化が起こる時期に対して、極めて敏感な応答を見せていた。T Wagnerたちによると、こうした太古の海洋では大量の河水流出が原因で酸素が欠乏し、その痕跡が有機物を極めて豊富に含む層である黒色頁岩として堆積物中に残ったという。 象牙海岸沖の堆積物コアに見られる地球化学的な特徴からは、古代の沿岸海域で降雨強度と酸素欠乏の間にあったつながりが読み取れる。Wagnerたちは気候モデルを用いてさらに調べ、楕円軌道を回る地球が分点の時期に太陽に最接近するという特別な軌道配置の出現が、海洋における大きな応答を引き起こした大量の河水流出が起こった時期と一致することを見いだした。 2005年9月8日号の Nature ハイライト 地球:土壌中の炭素が大規模に失われている証拠 宇宙:ケレスを輪切りにしてみると 古気候:トロピカル・コネクション 動物行動:ホルモン増産は勝ち目のあるときだけ 細胞:皮を厚くする細胞分裂の仕組み : 目次へ戻る