Nature ハイライト 遺伝:結核の発病しやすさにかかわる遺伝子 2005年4月7日 Nature 434, 7034 結核の感染者は年に約800万人にものぼり、このうち200万人が命を落とすと推定されている。ストレスや栄養不良などが結核への感染しやすさに影響することがあるが、感染後に実際に発病するかどうかに遺伝子がどのような影響を与えるのか、その仕組みの解明も待ち望まれている。今回、I Kramnikたちにより、こうした遺伝的解明が一歩進められた。彼らは、マウスの1番染色体のsst1領域中にあるIpr1と呼ばれる遺伝子が、結核への感染しやすさを決定している可能性があることを報告している。この遺伝子のヒトでの相同体であるSP110が、ヒトの結核感受性に関連する候補遺伝子ではないかとKramnikたちは考えている。「今回の報告は、結核の病因の全く新しい側面に関する手がかりをもたらすだけでなく、もしヒトでもこの結果が通用するなら、薬剤療法の新たな標的が明らかになるかもしれない」とN JabadoとP GrosはNews and Viewsで述べている。 2005年4月7日号の Nature ハイライト 医学:大麻に含まれる化合物で血管の疾患を治療 宇宙:星々のゆりかごで急成長するブラックホール 遺伝:結核の発病しやすさにかかわる遺伝子 化学:水素貯蔵用ガス・ハイドレート 進化:グルジアの歯のない原人 : 目次へ戻る