Nature ハイライト 材料:結晶境界にカルシウムの橋を架ける 2005年5月26日 Nature 435, 7041 高温超伝導体は、カルシウムイオンを加えるとより多くの電流を流せるようになるが、肝心の作動温度が下がってしまう。最近発表された2つの論文によると、カルシウムは超伝導材料を構成する微小な結晶間の隙間を埋めるのに適当な大きさであるため、電流の流れ方を改善するようだ。 Natureの論文でR Klieたちは、銀やユウロピウムのようなカルシウムと同じ位の大きさの金属イオンでは、臨界温度を下げることなく隙間を埋めることができると示唆している。D Larbalestierたちは今月号の Nature Materials(4, 470-475, 2005)で、カルシウムイオンが境界周辺の結晶構造をどのようにひずませて、臨海電流密度を増やしているかを、電子顕微鏡観察によって示した。 「超伝導ケーブルの性能とコストを左右するのは、超伝導体の微結晶間の境界の性質である」とNature MaterialsのNews and Viewsで、J Mannhartと D Mullerが述べている。 2005年5月26日号の Nature ハイライト 宇宙:惑星の玉突き 植物:やっと見つかった植物ホルモン受容体 疫学:ウシ結核は牛の移動によって広がる 材料:結晶境界にカルシウムの橋を架ける 生態:コアラの訪問はユーカリの化学成分しだい : 目次へ戻る