Nature ハイライト 動物行動:ハヤブサから逃れるための尾羽 2005年4月21日 Nature 434, 7036 ハトの中には、尾羽付け根付近の羽を使う目くらましの達人がいるようだ。新たな研究で、尾羽基部と背面下部の間に見られる特別な白斑が、あらゆる捕食者の中でも最も素早いハヤブサから逃れる際の経路をうまくごまかすのに使われることが明らかになった。A Palleroniたちは、この発見を今週号のBrief Communicationsに報告している。彼らは7年間にわたりハトのデータを収集し、その間に5羽のハヤブサ成鳥による1,485回の攻撃が記録された。そして、ハヤブサに捕食されたもののうち、白斑を持つハトはたった2%であることがわかった。この白斑を他のハトに付け替えてやると、被捕食の傾向の逆転が見られたことから、白斑を持つことでハトが生存率を向上させていることが確認された。著者たちは、白斑がハヤブサの注意を逸らし、空中で上下左右に回避運動する獲物を捕捉するハヤブサの能力の妨げになっているのではないかと考えている。 2005年4月21日号の Nature ハイライト 遺伝:イネいもち病菌のゲノム配列を解読 生態:種分化は種の多様性に押し進められる 地球:活動するヒマラヤ断層を発見 技術:NMRナノデバイス 動物行動:ハヤブサから逃れるための尾羽 地球生物学:強酸性の岩に住み着く微生物 : 目次へ戻る