米国ワイオミング州イエローストーン国立公園の高温で酸性の環境にある岩石の小孔に、未知の微生物群集が住み着いていることがわかった。この環境の強い酸性度(pH 1)や多量のケイ酸塩といった特徴は鉱化作用を促進するという。今回の発見は、岩の小孔に住む(これを「岩内生」という)微生物群集の化石化過程を研究するうえで貴重な足がかりになるとN R Paceたちは説明している。イエローストーンの環境に似た地熱活動が火星でも見られたことを示唆する証拠があり、火星にかつて生命が存在したことを示す証拠を探すには、岩石の小孔空間に生息する鉱化作用を受けた微生物群集が格好の研究対象になるのではないか、と彼らは考えている。