Nature ハイライト

医学:インスリンの調節に役立つ非コードRNA

Nature 432, 7014

糖尿病の患者は血液中のインスリン量をうまく調節できない。そして、インスリンは多すぎても少なすぎても命にかかわることがある。今週号に発表された研究で、遺伝子の発現を調節すると考えられているある種の非コードRNAの機能が明らかになり、糖尿病薬が開発される望みが出てきた。こうしたマイクロRNAは、遺伝子がタンパク質へと翻訳される過程を抑制することにより遺伝子発現を調節している。 M Stoffelたちは膵臓の内分泌細胞を調べ、これらの細胞に特異的な新しいマイクロRNA(miR-375)を見つけた。miR-375を過剰に発現させると、グルコースに応じて起こるインスリン分泌が低下し、発現を阻害すると逆の結果が得られる。Stoffelたちはさらに研究を進めて、miR-375の標的がミオトロフィンのメッセンジャーRNAであることを明らかにした。 国際糖尿病連合によれば、世界の糖尿病患者は、現在1億9,400万人を超えている。miR-375はインスリン分泌の調節因子であり、糖尿病治療薬の標的になるだろうとStoffelたちは考えている。

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