Nature ハイライト

宇宙:光の泡による暗黒時代の終焉

Nature 432, 7014

現在では可視領域に見られる星明かりによって宇宙がようやく照らされた時、光の泡が突然膨張し、それまでの「暗黒時代」は終わりを迎えたようだ。 最遠方にある天体の中にクエーサーがあり、それらはおそらく、ガスを飲み込む際に光を発する巨大ブラックホールであろう。クエーサーを数十億年前に発し地球にはるばるやってくる光を解析することで、かつての宇宙の姿を明らかにすることができる。銀河間を漂う希薄な水素ガスは、クエーサーからの紫外光をさえぎるが、一旦その光を吸収すると再電離し、さらなる紫外放射に対しては透明になる。 今回J S B WyitheおよびA Loebはこの光を観測した結果、電離水素の泡が初期クエーサーの周囲で、クエーサーからの光が広がるのとだいたい等しい速度で膨張したと結論した。これらの泡は、さしわたし3千万光年程度まで膨張するとくっつき始めた。このことから再電離過程は、2億年程度の期間内に比較的速やかに生じたことが示唆される。

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