加齢:健康的な加齢のための食事パターンの特定
Nature Medicine
2025年3月25日
Aging: Dietary patterns for healthy ageing identified
特定の栄養素を多く含む食事(果物、野菜、全粒穀物、不飽和脂肪、ナッツ類、豆類、および低脂肪乳製品など)は、高齢期における心身の健康の改善と関連していることを報告する論文が、Nature Medicine に掲載される。米国の10万人以上を対象とした分析に基づくこの研究結果によると、健康的に加齢した人はわずか9.3%であった。トランス脂肪酸、ナトリウム、甘味飲料、赤肉や加工肉の摂取量が多いと、高齢期の健康状態が悪くなることが分かった。
食事は、世界的に見て死亡や慢性疾患の主な行動リスク要因であり、米国の高齢者においては(喫煙に次いで)2番目のリスク要因である。世界的な高齢化が進む中、食事と健康な高齢期の関係を理解することは重要である。しかし、中年期の食生活の選択がその後の健康にどのような影響を与えるのかは、依然として不明である。
Marta Guasch-Ferré、Anne-Julie TessierとFrank B. Huらの研究チームは、30年間にわたる包括的分析を行い、70歳を超えても認知、身体、および精神衛生を維持するなど、健康的な加齢を実現する可能性に影響を与える特定の食生活パターンを特定した。平均年齢53歳の中年米国人の105,015人を対象に、最長30年間にわたって追跡調査を行ったところ、健康的な加齢を実現できたのはわずか9.3%であった。健康的な加齢とは、11の主要な慢性疾患を患うことなく、認知、身体、および精神衛生に障害なく70歳まで生存することを指す。8つの特定の食事パターンへのより良い順守は、健康的な加齢の可能性を高めることと関連しており、代替健康指標(Alternative Healthy Index)ダイエットが最も強い効果をもたらした。このダイエットでは、果物、野菜、全粒穀物、不飽和脂肪、ナッツ類、豆類、および低脂肪乳製品の摂取量を増やすことを推奨しており、健康的な加齢の改善につながった。一方、トランス脂肪、ナトリウム、甘味飲料、赤肉や加工肉の摂取量が多いと、健康的な加齢を実現できる可能性が低くなることが分かった。
この調査結果は、認知機能や心身の健康状態の改善を含め、より長く健康的な生活を送る機会を高めるのに役立つと考えられ、今後の食事ガイドラインの策定にも役立つかもしれない。
- Article
- Open access
- Published: 24 March 2025
Tessier, AJ., Wang, F., Korat, A.A. et al. Optimal dietary patterns for healthy aging. Nat Med (2025). https://doi.org/10.1038/s41591-025-03570-5
doi: 10.1038/s41591-025-03570-5
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