Nature ハイライト
神経科学:C9orf72複合体はGAPとして働く
Nature 585, 7824
C9orf72と関連タンパク質の役割は、筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型変性症の両方に関連があるため、熱心に調べられてきた。これらのタンパク質の活性の喪失は、ニューロン機能不全に関与すると考えられている。J HurleyとM Suたちは今回、クライオ電子顕微鏡法を用いて、C9orf72–SMCR8–WDR41複合体の構造を決定し、この複合体が低分子量GTPアーゼのARFファミリーに対するGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)として働くことを見いだしている。C9orf72は、SMRC8を介したARFタンパク質に対するGAP活性と、WDR41を介したリソソームへの共局在を仲立ちしていると考えられる。これらの知見は、リソソームのシグナル伝達やオートファジー、ニューロンの生存に対してC9orf72が持つ役割をさらに深く理解する上で非常に興味深い基盤となる。
2020年9月10日号の Nature ハイライト
電気工学:より持続可能な電子デバイスの冷却
物性物理学:圧力下の水素を計算する
地球化学:マントル深部への炭素の沈み込み
神経科学:C9orf72複合体はGAPとして働く
細胞生物学:生体分子の凝縮物と植物の温度感受性
ウイルス学:自然なHIV制御の構造的相関要因
コロナウイルス:アカゲザルにおけるSARS-CoV-2の病原性
コロナウイルス:アカゲザルのCOVID-19に対するレムデシビル治療
加齢:代謝は上手に年を取らない
生化学:デザイナー分子糊への道