Nature ハイライト
コロナウイルス:アカゲザルにおけるSARS-CoV-2の病原性
Nature 585, 7824
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療法やワクチンの探索が行われているため、これらの対策を試験するための動物モデルの存在が重要になってくる。E de Witたちは今回、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)が、感染したアカゲザルにおいて呼吸器疾患を引き起こすことを示している。著者たちは、8匹の成体サルにSARS-CoV-2分離株を接種した。病気は一過性であり、体重減少や初期の体温上昇が観察されたが、全てのサルは感染後9〜17日で回復した。肺浸潤がX線写真で観察され、剖検されたサルの肺ではさまざまな程度の肉眼的病変が認められた。全てのサルの肺で高いウイルス量が検出されたが、他の主要な臓器(リンパ系や消化器組織を除く)では検出されなかった。
2020年9月10日号の Nature ハイライト
電気工学:より持続可能な電子デバイスの冷却
物性物理学:圧力下の水素を計算する
地球化学:マントル深部への炭素の沈み込み
神経科学:C9orf72複合体はGAPとして働く
細胞生物学:生体分子の凝縮物と植物の温度感受性
ウイルス学:自然なHIV制御の構造的相関要因
コロナウイルス:アカゲザルにおけるSARS-CoV-2の病原性
コロナウイルス:アカゲザルのCOVID-19に対するレムデシビル治療
加齢:代謝は上手に年を取らない
生化学:デザイナー分子糊への道