Nature ハイライト
神経科学:母性行動の社会的伝達
Nature 596, 7873
オキシトシンは社会的行動の発現に多くの役割を担っているが、中でも重要なものの1つは、母性行動の発現を促すことである。しかし、オキシトシンシグナル伝達が、母性行動の開始を促すために必要な大脳皮質の可塑性を促進する機構については分かっていない。R Froemkeたちは今回、母マウスおよびその産仔と同居させた未交尾雌では、母マウスに仔の保護への参加を求められたときに、オキシトシンニューロンが活性化することを明らかにしている。経験を積んだ母マウスが、未交尾雌に対して営巣行動や仔マウスの回収行動を実演することで、これらの母親による仔の保護行動が未交尾雌へと伝達され、この伝達は未交尾雌での内因性オキシトシンの分泌を介して起こる。
2021年8月26日号の Nature ハイライト
原子物理学:共振器QEDにおける強く結合した光と原子と分子のスープ
量子技術:トラップされた陽子の共同冷却
化学:液体水における水素結合の強化の観察
生物地球化学:炭素貯蔵庫としてのアフリカの熱帯山地林
進化学:ウォーレシアの人骨から得られた古代ゲノムDNA
政治学:コンピューター科学が市民議会の公平な代表性を保証する
神経科学:母性行動の社会的伝達
医学研究:VITT抗体によって認識されるPF4エピトープ
免疫学:STINGのリガンド非依存的な活性化を防ぐNPC1の役割
がん:がん細胞の持続生残現象の追跡
構造生物学:触媒として働くRNAのスナップショット