Nature ハイライト

構造生物学:触媒として働くRNAのスナップショット

Nature 596, 7873

クライオ電子顕微鏡法は今や、生物学での多くの構造学的研究で主流となっている。しかし、構造を解くことができる分子のサイズとそれらの組成に関してはいくつかの限界があり、小型分子や何も結合していない状態のRNAの扱いは特に困難とされている。W Chiuたちは今回、彼らが最近開発した手法を用いて、テトラヒメナ(Tetrahymena)リボザイムのアポ型とホロ型の構造を、側鎖と金属イオンのモデルを作成するのに十分な分解能で解いている。得られた構造では、触媒中心の外側の領域を含めたリボザイムの構造全体が捉えられた。活性部位は基質ヘリックスが結合する前にほとんど組み上げられた状態となっているが、基質が結合すると内部のガイド配列が大きく位置を変えることが明らかになった。

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