Nature ハイライト

免疫学:STINGのリガンド非依存的な活性化を防ぐNPC1の役割

Nature 596, 7873

リソソームタンパク質であるNPC1(Niemann–Pick type C1)はコレステロールの排出に関与しており、変異すると、ニーマン・ピック病C型の原因遺伝子の1つとなる。N Yanたちは今回、NPC1がSTINGトラフィッキングのコファクターであることを明らかにしている。NPC1の喪失によってSTINGのリソソームでの分解が障害され、また、NPC1の欠損によって、SREBP2が関与する機構を介してSTINGのゴルジへの移行が促進されることも分かった。両方の影響が組み合わさると、リガンド非依存的なSTINGの持続的な活性化が起こり、有害なI型インターフェロン応答につながって、神経炎症や病変が引き起こされる。Npc1−/−マウスモデルにおいて、Irf3(インターフェロン調節因子3をコードする)あるいはSting1(STINGをコードする)を欠失させると、疾患の進行が軽減することが示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度