Nature ハイライト
免疫学:STINGのリガンド非依存的な活性化を防ぐNPC1の役割
Nature 596, 7873
リソソームタンパク質であるNPC1(Niemann–Pick type C1)はコレステロールの排出に関与しており、変異すると、ニーマン・ピック病C型の原因遺伝子の1つとなる。N Yanたちは今回、NPC1がSTINGトラフィッキングのコファクターであることを明らかにしている。NPC1の喪失によってSTINGのリソソームでの分解が障害され、また、NPC1の欠損によって、SREBP2が関与する機構を介してSTINGのゴルジへの移行が促進されることも分かった。両方の影響が組み合わさると、リガンド非依存的なSTINGの持続的な活性化が起こり、有害なI型インターフェロン応答につながって、神経炎症や病変が引き起こされる。Npc1−/−マウスモデルにおいて、Irf3(インターフェロン調節因子3をコードする)あるいはSting1(STINGをコードする)を欠失させると、疾患の進行が軽減することが示された。
2021年8月26日号の Nature ハイライト
原子物理学:共振器QEDにおける強く結合した光と原子と分子のスープ
量子技術:トラップされた陽子の共同冷却
化学:液体水における水素結合の強化の観察
生物地球化学:炭素貯蔵庫としてのアフリカの熱帯山地林
進化学:ウォーレシアの人骨から得られた古代ゲノムDNA
政治学:コンピューター科学が市民議会の公平な代表性を保証する
神経科学:母性行動の社会的伝達
医学研究:VITT抗体によって認識されるPF4エピトープ
免疫学:STINGのリガンド非依存的な活性化を防ぐNPC1の役割
がん:がん細胞の持続生残現象の追跡
構造生物学:触媒として働くRNAのスナップショット