Nature ハイライト
物性物理学:モアレ物質における金属–絶縁体転移
Nature 597, 7876
金属–絶縁体転移は、大きな電子–電子相互作用を示す多くの物質の顕著な特徴である。この転移の近傍では、量子スピン液体、励起子凝縮体、非従来型超伝導などの異常な物質状態が存在すると考えられている。今回A PasupathyたちとK Makたちは、遷移金属ジカルコゲニド系モアレ超格子において相互作用の強さを電気的に調整し、金属–絶縁体転移を駆動している。著者たちは、異常金属挙動や量子臨界挙動のみならず、スピン液体の存在と一致する特徴も観測した。今回実証された、モアレ物質におけるバンド幅と電荷キャリア密度の連続的調整によって、相関物質における金属–絶縁体転移の前例のない制御が可能になる。
2021年9月16日号の Nature ハイライト
物性物理学:モアレ物質における金属–絶縁体転移
材料化学:自己集合するペロブスカイト型ヘテロ構造
気候科学:オーストラリアの火災による大量の二酸化炭素排出
気候科学:プランクトンのブルームに栄養を供給した山火事
考古学:「砂漠のアラビア」物語
遺伝学:ヒトの正常組織における体細胞変異の全体像
遺伝学:正常組織の体細胞変異から発生的な系統を推論する
遺伝学:体細胞変異の解析でヒトの胚発生を推定
遺伝学:正常なヒト組織の体細胞変異マップ
人間行動学:行動ナッジはCOVID-19のワクチン接種を増加させる
分子生物学:DNAの相同性を見つける方法