Nature ハイライト

物性物理学:モアレ物質における金属–絶縁体転移

Nature 597, 7876

金属–絶縁体転移は、大きな電子–電子相互作用を示す多くの物質の顕著な特徴である。この転移の近傍では、量子スピン液体、励起子凝縮体、非従来型超伝導などの異常な物質状態が存在すると考えられている。今回A PasupathyたちとK Makたちは、遷移金属ジカルコゲニド系モアレ超格子において相互作用の強さを電気的に調整し、金属–絶縁体転移を駆動している。著者たちは、異常金属挙動や量子臨界挙動のみならず、スピン液体の存在と一致する特徴も観測した。今回実証された、モアレ物質におけるバンド幅と電荷キャリア密度の連続的調整によって、相関物質における金属–絶縁体転移の前例のない制御が可能になる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度