Nature ハイライト
気候科学:プランクトンのブルームに栄養を供給した山火事
Nature 597, 7876
山火事によるエアロゾルの排出は、栄養素と生物に不可欠な微量金属を輸送し、海洋の生産力を高める可能性がある。今回N Cassarたちは、人工衛星データと、自律的なアルゴフロートによる生物地球化学データを用いて、2019~2020年のオーストラリアの山火事によるエアロゾルの沈着の、植物プランクトンの生産力への影響を評価している。その結果、2019年12月〜2020年3月に、オーストラリアの風下に当たる南大洋で、異常に広範囲な植物プランクトンの大増殖(ブルーム)が発生していたことが見いだされた。エアロゾル試料は鉄の含有量が多いことが分かり、こうしたエアロゾルがおそらくブルーム域に輸送されたと考えられることから、これらのブルームは鉄の少ない南大洋の水の肥沃化によって生じたと示唆される。
2021年9月16日号の Nature ハイライト
物性物理学:モアレ物質における金属–絶縁体転移
材料化学:自己集合するペロブスカイト型ヘテロ構造
気候科学:オーストラリアの火災による大量の二酸化炭素排出
気候科学:プランクトンのブルームに栄養を供給した山火事
考古学:「砂漠のアラビア」物語
遺伝学:ヒトの正常組織における体細胞変異の全体像
遺伝学:正常組織の体細胞変異から発生的な系統を推論する
遺伝学:体細胞変異の解析でヒトの胚発生を推定
遺伝学:正常なヒト組織の体細胞変異マップ
人間行動学:行動ナッジはCOVID-19のワクチン接種を増加させる
分子生物学:DNAの相同性を見つける方法