Nature ハイライト
Cover Story:素晴らしい新世界:ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がもたらす系外惑星に関するこれまでにない知見の数々
Nature 614, 7949
2021年12月の打ち上げから間もなく、NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による宇宙の新たな素晴らしい画像が、次々とトップ記事になった。しかし、この宇宙望遠鏡がもたらしたのは画像だけではない。今週号の5報の論文では、JWSTのデータの解析結果が提示され、系外惑星の細部を新たに明らかにする搭載機器の能力が実証されている。一連の論文でそれぞれの著者たちは、JWSTに搭載された3つの異なる計測機器(近赤外線カメラ、近赤外線分光器、近赤外線撮像装置・スリットレス分光器)を利用して、系外惑星WASP-39bの大気を調べた。その結果、WASP-39bの大気に水、二酸化炭素、一酸化炭素、ナトリウム、カリウムの痕跡が見いだされた他、雲の特性が決定され、二酸化硫黄の存在を示す証拠が明らかになった。
2023年2月23日号の Nature ハイライト
がん免疫療法:CAR T細胞療法のこれまでとこれから
量子物理学:キュービット数の増加によって向上する量子誤り訂正
物性物理学:新種の走査型プローブ顕微鏡
物性物理学:グラフェンにおける流体力学的な励起
エネルギー科学:極端な条件下のLiイオン電池の設計
環境科学:1900年以降の氷河堰止湖の洪水流量の減少
進化学:海洋の生物多様性の緯度勾配の始まり
進化学:海洋微生物の群集構造の気候変動に伴う変化
考古学:ヒッタイト帝国滅亡の原因は長引く干ばつであった
神経科学:暑さ寒さも皮質まで
神経科学:神経活動依存的なDNA損傷に対する新たな修復機構
発生生物学:計算による細胞アイデンティティーの分析
免疫学:COVID-19罹患後の免疫系の変化には性差がある
免疫学:機能的なT細胞は長寿命で無限の増殖能を持つ
細胞生物学:テロメアを介した腫瘍抑制機構
計算生物学:深層学習を使って活性と特異性の高い酵素をde novo設計する
構造生物学:抗ウイルス性ヌクレオシド類似体に対する選択性の構造基盤
構造生物学:ナトリウム–塩素イオン共輸送体の構造と輸送機構