Nature ハイライト
Cover Story:熱のストレス:世界の両生類は、上昇する気温に対してどれだけ脆弱なのか
Nature 639, 8056
表紙は、東南アジアの熱帯雨林地域に生息するミツヅノコノハガエル(Pelobatrachus nasutus)の写真である。カエルをはじめ、全ての両生類はその存続がますます脅かされているが、上昇する気温に対する脆弱性は十分に解明されていない。今週号ではP Pottierたちが、世界の両生類種の60%について高温耐性を予測している。その結果、調査対象の5203種のうち104種が既に日陰の陸上生息地で過熱にさらされており、全球の気温上昇によって少なくとも7.5%の種が生理的限界を超える可能性があることが明らかになった。著者たちはまた、熱波時に両生類が高温に耐える上で密生した植生と水源が極めて重要であることを見いだしており、生息地の保全や復元のイニシアチブが両生類を存続させる上で非常に重要であることが明らかになった。
2025年3月27日号の Nature ハイライト
天文学:第一世代銀河からのライマンα放射
惑星科学:ウルトラホットジュピターの異常な大気循環
ナノフォトニクス:グラフェン中の中赤外エレクトロルミネッセンス
ナノフォトニクス:六方晶窒化ホウ素中の中赤外エレクトロルミネッセンス
集積フォトニクス:高Q値窒化ケイ素微小共振器で下方変換光子対を生成
フォトニクス:フォトニック回路を用いたパラメトリック光増幅器
アクティブマター:アクティブソリッドの環境応答性動的現象
気候科学:2023〜2024年の記録的な海面水温の急上昇
地震学:静止状態にある摩擦界面のすべりと回復
進化学:革新的な形質の不安定さが多様化を促進する
遺伝学:複数祖先で紐解く双極症のゲノミクス
社会科学:成績優秀者に見られる人種間の教育格差
神経学:グリコカリックスは血液脳関門の重要な裏方
神経回路:知らない場所を歩くとき
微生物学:施設内感染は入居者の皮膚から広がる
免疫学:プロテアソームが抗菌ペプチドを生成
分子生物学:マラリア原虫の生殖を阻害する新しいタイプの抗マラリア薬
生化学:これまで難しかったセルロース廃棄物の分解と再利用を可能にする酵素
細胞生物学:DNA二本鎖切断周辺でのDNA複製を妨げる仕組み