Nature ハイライト 脳:錯覚からわかること 2007年4月19日 Nature 446, 7138 錯覚とは、脳が感覚信号を符号化する方法から生じるものだと通常考えられている。しかし別の解釈もあり、それによると錯覚は、神経ネットワークのもっと「下流」の部分、つまり脳が特定の課題を行うのに適するとして採用した戦略に従って感覚情報を解読する時点でも生じる可能性がある。ランダムドットパターンが固定した境界線に対してどの方向に動くかを健常者に推定させる実験で、判断の誤りが一貫して生じることがわかった。このことは、動きの主観的経験は、感覚ニューロンの反応から直接生じるものではなく、その反応が解読された後に生じることを示唆している。 2007年4月19日号の Nature ハイライト 物理:素朴な現実からかけ離れていく量子物理学 細胞:細胞分裂の制御 宇宙:衝突と惑星形成 化学:糖を合成する 地球:大陸地殻はいつ形成されたか? 植物:太古の高木群の姿 脳:道徳的判断と感情 脳:錯覚からわかること 目次へ戻る