Nature ハイライト

発生:心筋細胞が心臓の発生を推進する

Nature 484, 7395

ゼブラフィッシュの心臓が胚期の単純な構造から成魚期の複雑な形状へと発生していく形態形成過程に、個々の心筋細胞がどう寄与しているのかを、V GuptaとK Possが多色蛍光による条件的な細胞追跡法を用いて明らかにした。初期発生期の心臓は多数の細胞クローンからなっており、これらのクローンは始原層(primordial layer)と呼ばれる細胞層を形成している。この始原層からの剥離によって、心臓肉柱層(trabeculated layer)の筋細胞が生じ、その後、稚魚が成魚へと成熟していく間に表層(cortical layer)が出現する。成魚の心臓の表層筋はほんの少しの心筋細胞から作り出され、これらの細胞は幹細胞集団に類似したクローン優位性を示す。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度