Nature ハイライト 進化:結合タンパク質から進化した酵素 2012年5月24日 Nature 485, 7399 カルコンイソメラーゼは、維管束植物のフラボノイド生合成にかかわる過程で、カルコンを(S)-フラバノンへと変換する。今回、カルコンイソメラーゼファミリーの触媒的に非活性な複数のメンバーでもっぱら脂肪酸結合タンパク質(FAP)として機能しているらしいものについて、結晶構造とリガンド結合特性、それにin vivoでの機能が調べられた。FAPをノックアウトしたシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、α–リノレン酸濃度の上昇と顕著な生殖能低下が見られた。このことから、カルコンイソメラーゼは、非酵素祖先からの酵素の出現と進化を示す珍しい例であると考えられる。 2012年5月24日号の Nature ハイライト 進化:すべての生物にある時計マーカー 脳:単一細胞レベルで脳活動を見る 宇宙:太陽類似星でのスーパーフレアの発生率 化学:色素増感太陽電池の着実な進歩 地球:始生代の地球化学的不連続 遺伝:黒色腫におけるPREX2変異 神経:血液脳関門を回復させる 進化:結合タンパク質から進化した酵素 目次へ戻る