Nature ハイライト
地球物理学:堆積物によるプレートテクトニクスの潤滑
Nature 570, 7759
地球のプレートテクトニクスがどのように始まり、どの要因がその進化を支配してきたかに関する理解は、まだ論争の的になっている。今回S SobolevとM Brownは、約30億年前以降、大陸の隆起と大陸縁辺や海溝における堆積物の蓄積が潤滑によって沈み込みを安定化し、地球上のプレートテクトニクスの出現と進化に重要な役割を果たしてきたと提案している。著者たちは、最大の地表侵食と沈み込みの潤滑事象が、コロンビア超大陸の形成につながった古原生代の全球的なヒューロニアン氷期の後と、新原生代の「スノーボールアース」氷期の後に起こったと結論している。大陸堆積物の海溝への供給が少なかったことにおそらく起因してプレートテクトニクス活動が弱かった時期である約17億〜7億年前の「退屈な10億年」の後、スノーボールアース事象によって現代の活動的なプレートテクトニクスの時代が始まったと考えられる。
2019年6月6日号の Nature ハイライト
核物理学:常温核融合は夢にすぎなかったのか
地球物理学:堆積物によるプレートテクトニクスの潤滑
神経科学:ドーパミンの暗号
ゲノミクス:2型糖尿病の遺伝学
天文学:銀河系中心の低温の降着円盤
材料科学:酸化物ペロブスカイトを二次元に
エレクトロニクス材料:溶液プロセスで作製した半導体の安定化
幹細胞:胎仔における腸の成長は絨毛の分裂によって駆動される
分子生物学:転写コファクターとプロモーターの関係を調べる