Nature ハイライト
幹細胞:胎仔における腸の成長は絨毛の分裂によって駆動される
Nature 570, 7759
腸上皮は絨毛と陰窩に分かれており、これが栄養吸収のための表面積を拡大するとともに腸機能を区画化している。成体では腸上皮幹細胞は陰窩の底部に存在し、恒常性の維持において、あるいは損傷の後に細胞の補充を行っている。腸は、胎仔の発生過程において他の時期よりも大きく拡大・成長する必要がある。K Jensenたちは今回、胎仔マウスの腸上皮の全ての細胞が、腸管での位置や幹細胞マーカーの発現の有無に関係なく、幹細胞として振る舞うことを明らかにしている。絨毛のリモデリングや分裂は腸の成長に寄与しており、上皮細胞を陰窩の底部の、幹細胞ニッチを構成する絨毛間領域へと移動させるとともに、新たな絨毛の発生を促進するシグナルを提供している。
2019年6月6日号の Nature ハイライト
核物理学:常温核融合は夢にすぎなかったのか
地球物理学:堆積物によるプレートテクトニクスの潤滑
神経科学:ドーパミンの暗号
ゲノミクス:2型糖尿病の遺伝学
天文学:銀河系中心の低温の降着円盤
材料科学:酸化物ペロブスカイトを二次元に
エレクトロニクス材料:溶液プロセスで作製した半導体の安定化
幹細胞:胎仔における腸の成長は絨毛の分裂によって駆動される
分子生物学:転写コファクターとプロモーターの関係を調べる