Nature ハイライト
気候科学:エアロゾルが雲の厚さに及ぼす影響はわずかである
Nature 572, 7767
産業活動によるエアロゾルの放出は、雲を明るくし、その不透明度つまり積算雲水量を増大させることによって、かなりの寒冷化効果を生み出す可能性がある。しかし、エアロゾルの影響を気象の影響から分離するのが極めて困難であるため、この問題は依然として議論の的になっている。今回V Tellたちは、汚染の軌跡(製錬所や石油精製所などから放出される汚染物質の軌跡など)が、どのように雲の性質に影響を及ぼすか調べている。この研究から、エアロゾルによって雲の明るさが増すことが確かめられたが、積算雲水量への影響はごくわずかであることが立証された。今回の知見は、雲水積算量に対する火山噴火の影響が同様に小さいという以前の結果を拡張するものである。
2019年8月1日号の Nature ハイライト
気候科学:エアロゾルが雲の厚さに及ぼす影響はわずかである
感染症:蚊の侵入種の野外におけるほぼ完全な除去
生理学:脳脊髄液排出のホットスポット
構造生物学:Gタンパク質の活性化を見る
光物理学:ポラリトン–ポラリトン相互作用を増強する
物性物理学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける分光観測
医学研究:臨床で急性腎障害を予測する
遺伝学:先天性筋ジストロフィーの治療にCRISPRを使う
植物科学:免疫に関連するカルシウムシグナル伝達の解明