Nature ハイライト
植物科学:免疫に関連するカルシウムシグナル伝達の解明
Nature 572, 7767
病原体に関連するエフェクター分子は、動物における場合と同様に、植物でも自然免疫応答を活性化する。この応答の古典的な出力はカルシウムシグナル伝達であるが、この重要な段階の詳細についてはまだ明らかにされていない。S Luanたちは今回、シロイヌナズナ(Arabidopsis)では、病原体によって引き起こされるカルシウムシグナル伝達に、サイクリックヌクレオチド依存性チャネル(CNGC)である2種のタンパク質CNGC2とCNGC4の両方が必要であると報告している。著者たちはさらに、このチャネルは静止状態ではカルモジュリンによって阻害されているが、病原体の攻撃を受けた時に、パターン認識受容体複合体の構成因子であるエフェクターキナーゼBIK1によってリン酸化を受け、活性化されることを示している。その結果として、すでによく知られている、免疫に関連する細胞質のカルシウムレベルの増加が起こる。
2019年8月1日号の Nature ハイライト
気候科学:エアロゾルが雲の厚さに及ぼす影響はわずかである
感染症:蚊の侵入種の野外におけるほぼ完全な除去
生理学:脳脊髄液排出のホットスポット
構造生物学:Gタンパク質の活性化を見る
光物理学:ポラリトン–ポラリトン相互作用を増強する
物性物理学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける分光観測
医学研究:臨床で急性腎障害を予測する
遺伝学:先天性筋ジストロフィーの治療にCRISPRを使う
植物科学:免疫に関連するカルシウムシグナル伝達の解明