Research Press Release

【動物学】雄鶏が時を告げる際の序列

Scientific Reports

2015年7月23日

ニワトリの集団では、序列が最高位の雄鶏が必ず最初にコケコッコーと鳴いて夜明けを告げ、その後は社会的順位の高い雄鶏から順にコケコッコーと鳴いていくことが明らかになった。その詳細についての報告が、今週掲載される。

ニワトリは高度に社会的な動物であり、時を告げる鳴き声は、周囲のニワトリに対して縄張りの境界線に関する警告を発し攻撃的相互作用のリスクを回避するための手段だと考えられている。ニワトリは集団の中で階層を形成し、序列が上の雄鶏が、食物、交尾する権利、巣とねぐらなどのリソースに関して優先権を握っていることがある。

今回、名古屋大学の新村毅(しんむら・つよし)と吉村崇(よしむら・たかし)たちは、雄鶏の社会的階層が、夜明けにコケコッコーと鳴く行為に影響を及ぼすかどうかを調べた。その結果、4匹の雄鶏からなる集団において、序列が最高位の雄鶏が毎朝最初にコケコッコーと鳴いて夜明けを告げ、その後は社会的順位の高い雄鶏から順に鳴いていくことが分かった。また、序列の低い雄鶏は、序列の高い雄鶏ほど頻繁に鳴かないことも判明した。そして、序列が最高位の雄鶏を除外した実験では、序列が第2位の雄鶏が最初にコケコッコーと鳴いた。序列が最高位の雄鶏が存在する場合には、序列の低い雄鶏が夜明け前に鳴くことが抑制されることを今回の研究結果は示唆している。

doi:10.1038/srep11683

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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