Research Press Release
火山噴火が世界中の川の流れを揺さぶっている
Nature Geoscience
2015年10月6日
全球の川の流れのパターンが火山噴火の1~2年後に顕著に変化しているという研究報告が、今週のオンライン版に掲載される。この発見は、世界中の多くの地域で将来の噴火によって水の利用可能性が影響を受ける可能性があることを示している。
一般に湿潤な地域では、これまでも火山噴火に引き続く年に降雨や降雪の減少が報告されている。しかしながら、このような降水量変化が系統的に川の流れの変化として現れるかは明らかではなかった。
Carley Iles とGabriele Hegerlは、19世紀後半~20世紀に少なくとも2回、最大6回の大規模火山噴火の記録がある世界の50の主要な河川について、流量の体積の観測記録を研究し、これらの噴火後には、アマゾン川をはじめコンゴ川、ナイル川などと、高緯度のアジア等のより広い地域では統計的に有意に流量が減少していることを見つけた。対照的に、アメリカ南西部および南アメリカ南部では大きな噴火が起きた後に一貫して流量が増大していることも分かった。著者たちはまた、地球工学的計画も同様な効果をもたらす可能性があると述べている。
doi:10.1038/ngeo2545
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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