米国内の産業用風力タービンのデータセット
Scientific Data
2015年11月24日
米国内に設置されている合計48,976基の産業用の陸上風力タービンの詳細な個別情報(所在地、高さ、羽根の長さ、発電能力など)のカタログが作成された。この地理空間データは、鳥類と風力発電地帯の相互関係の調査などの科学研究だけでなく、土地管理と都市計画などの規制目的にも役立つ可能性がある。このデータセットが、今週掲載される。
風力エネルギーは米国内の再生可能資源による発電の31%を占めているが、米国国内の個々の風力タービンの所在地と仕様が記録された無償公開のデータセットは、これまで存在していなかった。
今回、Jay Diffendorferのグループは、米国連邦航空局(FAA)、米国地質調査所などさまざまな公共の情報源から1980年代初頭から2014年3月までの風力タービンに関する記録を収集、編集した上で、航空写真を使ってタービンの位置情報をデジタル化し、検証した。このマッピング作業の対象となったのは、高さが30.5 m以上で集中型発電施設が併設された産業用タービンであり、家庭、牧場やその他の用途の分散型小型タービンは含まれていない。また、マッピングされたタービンのそれぞれには仕様(高さ、羽根の長さ、メーカー名、型式名、発電能力)も付記されている。Diffendorferたちは、このData Descriptor論文(貴重な研究データセットを最大限再利用できるようにし、検索、リンク設定とデータマイニングのできる査読済み論文)と共にデータの静的コピーを公開すると同時に、このデータが組み込まれた使い勝手の良いインタラクティブマップをウェブ上(http://eerscmap.usgs.gov/windfarm/)で公開している。さらに、Diffendorferたちは、コンピュータープログラムを通じてデータにアクセスでき、他のマッピングのツールやアプリにデータを簡単に組み込めるようなオンラインサービスも提供している。
doi:10.1038/sdata.2015.60
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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