【遺伝】一本眉やその他の顔面と頭部の毛髪の形質と関連する座位
Nature Communications
2016年3月2日
顔面と頭部の毛髪の分布と形状と色の違いに関係する座位が同定されたことを報告する論文が、今週掲載される。この研究結果は、ラテンアメリカ人を対象とした全ゲノム関連解析(GWAS)に基づいている。
ヒトの顔面と頭部の毛髪の外観と分布は、同じ集団内と異なる集団間で有意差が認められるが、こうした差異の遺伝的基盤については、これまで解明があまり進んでいない。
今回、Andres Ruiz-Linaresたちは、ヨーロッパ人とアメリカ先住民とアフリカ人の混血のラテンアメリカ人(6,000人以上)のGWASを行い、頭髪の特徴である形状と色(例えば白髪)、脱毛、そして顔面の毛髪の特徴である髭の濃さと眉毛の濃さ、眉毛叢生(両側の眉毛がくっついて生えている状態)の自然変動に影響を及ぼす10か所の座位を同定した。そのうちの一部は、2つ以上の毛髪の特徴(例えば、毛髪の形状と髭の濃さ)に影響を及ぼすことが明らかになったが、顔面の毛髪の特徴に影響する座位の大部分は重複していない。例えば、眉毛の形状と関連する座位は、他の毛髪の形質(例えば脱毛)に影響を及ぼさないと考えられている。今回の論文には、白髪化と眉毛叢生、それに眉毛と髭の濃さに関連する遺伝子に関する初めての記述もある。
今回の研究結果は、毛髪繊維の形状と成長範囲に影響を及ぼす機構に関する手掛かりになると考えられている。また、顔面の毛髪の多様性に関与する推定遺伝子と遺伝子産物を同定できれば、毛髪の成長を抑制または促進するための分子標的候補が明らかになる可能性もある。
doi:10.1038/ncomms10815
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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