省エネを促進するガールスカウト活動
Nature Energy
2016年7月12日
今週のオンライン版に、ガールスカウト団員とその両親たちが、子供に対する教育的介入の後に省エネ行動が増しているとの報告が掲載される。この研究は、ガールスカウトなどの若者の団体に対して同様の教育的介入を拡大すれば、米国の多くの家庭での省エネの促進に役立つ可能性があることを示唆している。
教育プログラムと行動プログラムは、省エネ習慣に対する若者の認識を高めるのに重要であると次第に考えられるようになってきている。さらに、さまざまな研究によって、子供が両親の態度と行動に大きな影響を及ぼすことも指摘されている。
今回Hilary Boudetたちは、カリフォルニア州北部のジュニアガールスカウト団30団体(平均年齢9.6歳)に、家庭での省エネ行動と食品や交通手段を決定する際の省エネ行動をそれぞれ促進するように設計した2種の教育的介入の1つを割り当てた。その結果、夜に電源コードを抜いたり冷水で洗濯するといった省エネ行動の子供の自己報告が、試行後7か月以上にわたって増えたことが分かった。さらに、両親が自己報告した家庭の省エネ行動にも、8か月以上にわたって教育的介入が影響を及ぼしたことも示されている。著者たちは、こうした行動の変化によって、家庭での年間エネルギー消費が教育的介入の直後で約3~5%、その後のフォローアップ期間で1~3%削減されると見積もっている。
最後に、Boudetたちは、食品と交通手段の省エネ行動はフォローアップ期間では増えなかったことに言及している。これはおそらく、公共交通機関の有無や家庭の食習慣などの、地理的、文化的、経済的要因によって省エネ行動が抑制されるためであり、短期間の行動的介入だけでは変えるのは難しいかもしれない。
doi:10.1038/nenergy.2016.91
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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