【物理科学】リンゴの成熟度を非破壊的に評価する注目の分光器
Scientific Reports
2016年9月9日
さまざまな品種のリンゴの成熟度を評価できる携帯型デバイスを紹介する論文が、今週掲載される。これは重さ48グラムの分光器とワイヤレスで接続されたスマートフォンのアプリを連動させたデバイスで、このアプリによって分光器からデータを集めて保存し、データ解析が行われる。
光学分光法は、対象物と光の相互作用をもとに対象物の特性を調べる技術であり、食品の品質評価、環境センサー、薬剤試験など数々の用途がある。ところが、産業界や研究機関での用途に用いられる分光器の大部分が高コストでかさ高く、データ収集のために付属の計算装置を必要とする。過去の研究では、複数の携帯型スマートフォン分光器が開発されているが、それによるデータの間に一貫性が認められていない。
今回、Anshuman Dasたちは、分光器の試作品(大きさ88 mm × 37 mm × 22 mm)とスマートフォンの専用アプリケーション・インターフェースを開発した。そして、Dasたちは、この分光器を用いて3品種のリンゴ(ゴールデンデリシャス、エンパイア、マッキントッシュ)の成熟度を評価した。この評価は、11日間の成熟過程において行われ、リンゴの皮に含まれるクロロフィルから発する紫外線の測定に基づいている。この評価結果は、リンゴの破壊的硬度検査の結果と相関していた。
Dasたちは、今回発表されるデバイスで実施される光学検査は非破壊検査であり、農家が最適な収穫時期を判断する上で役立つ可能性があると主張し、このデバイスを果実の成熟度を検査するという一般消費者の用途に向けて改良できる可能性もあるという考えを示している。
doi:10.1038/srep32504
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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