Research Press Release
化石:巨大恐竜には頭蓋装飾もあった
Nature Communications
2016年9月28日
巨体へ急速に進化した獣脚類恐竜は、骨から成る頭蓋装飾も進化させていたことを明らかにした論文が、今週掲載される。ティラノサウルス・レックスなどの大型獣脚類の頭部には、骨のとさかや骨のこぶがあり、潜在的な交尾相手や競争相手に対するシグナルとして機能した可能性がある。
現生動物の場合、とさか、角やそれに関連した構造は、コミュニケーションのための装飾や武器など多彩な機能を有していることが知られている。恐竜にも類似のさまざまな構造があったが、今のところ十分に解明されていない。
今回、Terry Gatesたちは、獣脚類恐竜全体について、体の大きさと頭蓋装飾の関係を調べた。その結果、骨ばった頭蓋構造を持つ系統がそうした頭蓋構造を持たない系統よりも急速に巨体へ進化したことが分かった。しかし、この関係は、羽毛のある獣脚類恐竜には見られなかった。羽毛のある獣脚類恐竜の一部は、とさかを持っていたが、骨のとさかではなく、羽毛やその他の軟部組織でできていたことが知られている。
巨体と目立つ形体の両方は、開放的な生息地での情報伝達に有利だった可能性があるが、獣脚類の生態が十分に解明されていないため、今回の研究で認められた巨体への進化と骨ばった頭蓋構造の進化の関係に関する他の説明を排除することはできない。
doi:10.1038/ncomms12931
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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