Research Press Release
【材料科学】電池を使わないタコ型ソフトロボット
Nature
2016年8月25日
タコから着想した電源内蔵式の完全にソフトなロボットの実証研究について報告するJennifer Lewisたちの論文が、今週、掲載される。ソフトロボットには弾力性があり、一部の自然環境に対する適応能力が従来の硬質材料で作られたロボットよりも優れている。ところが、ソフトロボットには硬い電池や電線が必要で、硬質の電源と接続されるため、自律性が制限されていた。
この新しいソフトロボットには8本のアームがついており、燃料源の過酸化水素を慎重に配置された白金触媒と反応させることで放出される酸素ガスの空気圧で駆動されている。このいわゆる「オクトボット(octobot)」は、ソフトな体内の空気圧ネットワークの3Dプリンティングなどさまざまな方法を併用して作製された。オクトボットの作動時間は4~8分となっているが、燃料消費を制御する部品の設計を洗練することで作動時間の延長を図れる可能性があるとLewisたちは考えている。
そしてLewisたちは、この新しい設計・作製方法が、これまでよりも複雑な機能を遂行する新世代の完全にソフトな自律ロボットの基盤を築くことになると結論づけている。
doi:10.1038/nature19100
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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