Research Press Release
2010年の地震以降のチリ地震危険度
Nature Geoscience
2011年1月31日
2010年チリ地震は、1835年に起きた地震以来テクトニック応力を蓄積していたプレート境界の部分の一部を破壊しただけであると、Nature Geoscience(電子版)に発表される研究が結論付けている。この発見は、昨年の地震はこの地域の地震災害危険度を除去したわけではなく、むしろ増加させた可能性があることを示唆している。
S Loritoらは津波データと測地学的観測を用いて、地震の起きた地域におけるプレートの動きを明らかにした。彼らは、2010年チリ地震の際には、地震のすべりは、1835年以来壊れないままとなっていたプレート境界部分の北側で主に起きており、その次にすべりが集中したのはこの地域の南側であることを見つけた。
Loritoらは、チリ沖における巨大地震の発生は驚くことではないが、この地震の正確な位置とその規模は予想外のものだったと報告している。
doi:10.1038/ngeo1073
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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