Research Press Release
デュシェンヌ型筋ジストロフィーにおけるエキソンの読み飛ばしを促進する化合物
Nature Communications
2011年5月11日
このほど、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者の細胞で停止していたジストロフィンの合成を再開させる化合物が同定され、軽度のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療法開発への寄与が期待されている。この研究成果の詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
軽度のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの場合、エキソンスキッピングという現象によって、少量の機能タンパク質が合成される。萩原正敏の研究グループは、これまでに10万種の化合物からなる化合物ライブラリーのスクリーニングを行い、エキソンスキッピングに関連する1つの化合物を同定していた。今回、萩原らは、この化合物によって、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者の細胞内でジストロフィンの合成が回復することを明らかにした。
これに似たジストロフィン遺伝子のエキソンスキッピングが、合成DNA分子によって誘導されることが既に明らかになっているが、萩原らが同定した化合物も、一部のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療に役立つことが期待される。
doi:10.1038/ncomms1306
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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