Research Press Release
薬物依存の再発を理解する
Nature Neuroscience
2011年2月21日
Nature Neuroscience(電子版)に発表される研究で、ヘロイン使用の再発傾向は内側前頭前野(mPFC)神経細胞の小集団により制御されるという証拠が示されている。この発見はげっ歯類の依存症モデルによるもので、ヒトの依存症再発の可能性を減らす治療法の理解に重要かもしれない。
げっ歯類でもヒトでも、依存性薬物の使用とそれを摂取した状況には関連が生じる。薬物に関連した状況刺激に再びさらされると、依存性が再発しやすい。
Y Shahamらは、前もってヘロインの自己投与訓練を行ったラットに、薬物を摂取したときの状況を再導入すると、mPFCの神経細胞のある小集団が高い活 性を示すことを明らかにしている。これら活性化した特異的mPFC神経細胞を薬理作用薬の投与により選択的に遮断し不活性化すると、再発ラットにおけるヘロイン探索行動の再燃を減らせることも明らかにされている。
doi:10.1038/nn.2758
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
医学研究:ブタから人間への肝臓移植の評価Nature
-
天文学:宇宙再電離の初期兆候Nature
-
化学: 永遠の化学物質の分解Nature
-
神経科学:マラソンランナーは脳内のミエリンの可逆的な変化を経験するNature Metabolism
-
加齢:健康的な加齢のための食事パターンの特定Nature Medicine
-
神経科学:鳥の脳が明かす言語の秘密Nature