【惑星科学】夜側が暑く昼側がもっと暑い巨大地球型惑星
Nature
2016年3月31日
巨大地球型太陽系外惑星(我々の太陽系の外側に位置する惑星で、質量が地球の1~10倍)の大気温度と地表温度の測定結果について報告する論文が、今週掲載される。かに座55番星eという巨大地球型惑星の温度マップからは、この惑星の温度が非常に高いが、それでも昼側と夜側の温度差が非常に大きいことが明らかになっており、我々の太陽系内の惑星で観測された過程(例えば、強風や溶岩流)が宇宙の遠いかなたでも起こっていることが示唆されている。
過去10年間の天体観測で、巨大な太陽系外惑星に関する重要な手掛かりがもたらされたが、低質量の太陽系外惑星の特性はほとんど分かっていない。
今回、Brice-Olivier Demoryたちは、地球の2倍に満たない大きさの近傍の惑星「かに座55番星e」の長期的な輝度温度マップについて報告している。Demoryたちは、スピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線アレイカメラを使って、かに座55番星eからの赤外線放射をモニタリングし、その夜側の温度が約1,380ケルビン(摂氏1,107度)であり、昼側の温度がそれより約1,300ケルビン(摂氏1,027度)高い2,700ケルビン(摂氏2,427度)であることを明らかにした。また、Demoryたちは、かに座55番星eの地表で、強い大気風または低粘性の溶岩流が原因と考えられる高温点を同定し、今回観測された赤外線放射を説明するためには、新たな未知の熱源が必要だとする結論を示している。
doi:10.1038/nature17169
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