Research Press Release
【材料科学】発熱量を低く抑えた超高速磁気的保存
Nature
2017年1月19日
超高速で情報の記録と保存を行い、その際の発熱量をわずかな量に抑える方法について記述された論文が、今週掲載される。今回の研究からは、光と磁気を使って次世代情報記憶装置を開発する新たな機会が得られるかもしれない。
情報の書き込みと読み取りには、ハードディスクに用いられるような磁性材料が長い間用いられてきた。これまでの書き込み読み取り過程は、大量のエネルギーを消費する比較的ゆっくりとした過程で、放熱対策を必要とするほどの発熱を伴っていた。
今回、Andrzej Stupakiewiczたちの研究チームは、精密に調整されたレーザーパルスを使って室温で情報の磁気単位(ビット)を書き込む方法について報告している。Stupakiewiczたちは、この方法による発熱量(立方センチメートル当たり6ジュール未満)が現在用いられているハードディスクやフラッシュメモリーと比べてかなり少ない点を指摘している。情報の記録も極めて高速で行われ、20ピコ秒未満で記録が完了する(ピコ秒は1兆分の1秒)。Stupakiewiczたちは、今回の研究成果が将来の光磁気記録技術の設計と開発に新たな知識をもたらす可能性があると考えている。
doi:10.1038/nature20807
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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