気候科学:将来の二酸化炭素レベルはかつてないものになる可能性がある
Nature Communications
2017年4月5日
化石燃料をこのままのペースで使用し続けると、地球の気候が少なくともこの5億年では経験しなかった状態になる可能性があるという報告が今週掲載される。今回報告された新たな長期の大気CO2の記録は、将来の大気中CO2濃度が、地質学的記録で見られるものよりも高くなる可能性があることを示している。
太陽および太陽によって放出される放射線量は、時間がたつにつれてかなり大きくなっているが、地球の気候は比較的安定していて、何百万年もの間、地球上の生命を支えてきた。この謎を調和させるためには、地質学的な時間スケールにわたって、太陽の出力が増加するにつれて温暖化効果を有する温室効果ガスが徐々に減少しなければならない。
地球の長期的な気候変動における温室効果の役割をよりよく理解するために、Gavin Fosterたちは、112の公開されている研究から、過去4億2000万年間をカバーする、大気CO2の推定値約1500を集めた。この新しいコンパイルデータから、気候の安定性は実際に、太陽の放射出力の増加をほぼ相殺する大気CO2の長期的な減少の結果であることが分かった。しかし、著者たちは、現代の通常のCO2放出シナリオに基づいて、今世紀末までのCO2レベルは、5000万年の間に経験しなかった値に達する可能性があることを示している。この新しいデータセット(このようなシナリオでは化石燃料が枯渇するはずである)によると、2400年までに大気CO2は少なくとも過去4億2000万年以内には経験しなかったレベルに上昇する可能性がある。
doi:10.1038/ncomms14845
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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