【古生物学】恐竜のボディープランの進化過程について再考を迫る化石
Nature
2017年4月13日
主竜類の鳥類系統の新属新種とされる化石の分析が行われ、これまで恐竜に特有のものと考えられていた数種の特徴が実際に進化したのは、かなり早く、鳥類とワニ類が分岐した直後だったことが示唆されている。この新知見は、初期恐竜の進化について再考を迫るものといえる。この研究成果を報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。
現生主竜類の鳥類とワニ類が共通祖先から分岐したのは三畳紀のことだった。これは、陸生脊椎動物の進化における主要な移行期であり、四肢の比率と体サイズの変化が関係していたが、こうした新機軸は、化石記録にほとんど残っていない。今回、Sterling Nesbittたちの研究グループは、鳥類の幹系統で最も原始的なものの1つであるTeleocrater rhadinusの化石について記述している。この化石は、タンザニアの三畳紀中期の地層から出土したものであり、T. rhadinusは、細身の四足歩行の肉食動物で、主竜類の進化史上の同時代の動物として描かれることの多い小型の二足歩行動物よりもワニ類に似ている。
Nesbittたちは、Teleocraterを全く新しい爬虫類のクレード(Aphanosauriaと命名された)に分類した。Aphanosauriaは、翼竜類と恐竜類に分かれる前の主竜類の鳥類系統の基部に位置している。このクレードに属する動物は、過渡的な形態的特徴を有し、鳥類とワニ類の最終共通祖先の特徴(例えば、ワニ類のような足関節)と恐竜の典型的な特徴の一部を併せ持っている。以上をまとめると、これらの初期の幹系統の鳥類は、これまで考えられていたよりかなり多くの種が含まれており、広範囲の地理的分布を示し、形態的にも多様だったことが今回の研究によって示唆されている。
doi:10.1038/nature22037
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