Research Press Release

小動物の酸素のオアシス

Nature Geoscience

2011年5月16日

光合成バクテリアを含む微生物の塊は、それ以外では酸素の低い礁湖に酸素に富んだ堆積層のオアシスを生成し、小動物がそこを利用しているとの報告が寄せられている。この条件は移動する動物が初めて化石記録に表れた5億5500万年間に見られるものと共通点がある。

M Gingrasらは、ベネズエラ海岸の塩分が高く酸素の低い礁湖に見られる微生物の塊を分析した。その塊は礁湖の海底を斑状に覆っている。彼らは、塊の中の酸素濃度は、塊のない地域よりもはるかに高いが、夜間には劇的に減少することを発見した。礁湖の大部分では海底に動物はいないが、例外的に塊の中には小さな穴を掘るイソガニと昆虫の幼生が棲息している。

Gingrasらは、海底堆積物内に住んでいた初期の移動する動物は微生物の塊の関連した酸素に富んだ条件を利用していた可能性があると示唆している。

doi:10.1038/ngeo1142

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度